開発者の声

 Developer's voice 


アルミス

押出形材の断面を意匠にする新しい挑戦

「今までにない飾れるスクリーンを」と始まった今回の企画。

エクステリアでフェンスやスクリーンというと多くが目隠しや仕切りが目的であるため、そこにデザイン性のある飾れるものをと言われ、当初は非常に困惑していました。

デザイン性の高いスクリーンで今までにないものということでアルミ形材の断面を見せる意匠とすることになりました。
四角い断面をブロックのように積み上げることで透かしブロックのような意匠のあるスクリーンを目指したのです。
しかしどのようにして施工しやすくかつおしゃれで耐久性のあるものを作るかが課題でした。

押出形材の制約との闘い

まず問題となったのはどんなデザインにするかです。
押出形材はアルミのビレットと呼ばれるアルミ合金の塊を金型に通して押し出すことで長い部材を作っています。
その断面形状には様々な制約があり好きなようにデザインすることは出来ません。
当初から考えていたデザインは複雑すぎたり断面自体が大きすぎたりとなかなか作れるものではありませんでした。
単純なデザインにしてもこの形状では内部に歪みが出る可能性がある、これではデザイン的にかっこよくない、などと何度も試行錯誤して行きました。

特に3型の七宝柄は当初四角い枠の中に七宝柄が入るデザインでしたが、形状が複雑すぎて押出形材では作れずにいました。そこで七宝柄の本来のデザインを見返し、四角い枠の中に入れずに花柄のような形状にすることで七宝柄本来の形に近づけられることに気づき、更に単純な形状になった為押し出し可能なものにすることが出来たのです。

このように苦労しながら最終的に今回発売となった3つのデザインに絞られました。

いかに細くいかに目立たなくするか

次に問題となったのはその構造です。短く切った形材をどうやってパネル状にしようかと悩みました。
形材は製造上の公差があり、アルミブロック1つ1つの大きさが少しずつ違う為隙間なく並べてしまうと全体に歪みが出てしまいます。またブロックのどこかに穴を開けて固定しようとするとその部分が目立ってしまい美しい細さが実現できません。
結局、ブロックそれぞれの公差を吸収しつつ目立たない連結部にするため、ブロック同士に少し隙間を作りかつブロックの角部に金具をはめ込む構造となりました。
金具同士でブロックを挟み込んでねじで金具を締める構造です。
つまりアルミブロックには1つも固定のためのねじ穴がありません。
このような構造も初めてのことだったので、「こんな構造でしっかりしたパネルになるの?」と疑問視されることも少なくありませんでした。
(もちろん発売した商品はしっかりした頑丈な構造になっていますよ!)

数々の苦難を乗り越えたアルミス

このように開発する過程において何度も困難に見舞われたアルミスですが、ようやく発売にたどり着くことが出来ました。当初はこんなデザインは実現できないと言われ、こんな構造では強度が保てないと怪しまれ、工場では組み立て方が難しいと文句を言われるかなりの問題児でしたが、デザインに妥協せず目指すべき目標を常に見据えて進めることで少しずつ解決し今日に至っています。

開発を進めていく中で、多くの商品は製造や強度の都合上、少しデザインを変えたりパーツが大きくなったりします。
しかしアルミスはデザイナーさんが使いたいと思う商品にする為にデザインに妥協はしたくありませんでした。デザインを妥協して作りやすくなっても買いたいと思ってもらえる人が減ってしまうのでは意味がないと思ったからです。

些細な部分までこだわったインパクトのあるスクリーンですので、外構のアクセントとして「アルミスを使いたい」と思ってもらえる商品になっていけばと願っています。


アルミスを使っていただく方へ

アルミスは押出形材だからこそ出来る細さと奥行き感があります。正面から見ると限りなく細く、斜めから見ると奥行きがあるので目隠し効果もあります。
ですから背の高い塀などで囲って閉塞感が出てしまいそうなところに一部アルミスを入れていただくとおしゃれで抜け感のあるプランになります。
また太陽光や照明によって出来る影も魅力の一つです。ファサードのアクセントとして是非アルミスの影も楽しんでみてください。


〇開発者プロフィール

 遠藤 未侑(えんどう みう)

エクステリア商品部エクステリア商品開発一課
2009年入社 入社時よりフェンス及び門扉の開発に携わる
趣味は歌を歌うこと。
バンドを組み定期的にライブを行っている。
バンド名:STOMEY(ストーミー)