コラム
column
所属先
AREA 外構&お庭の設計事務所・手描きの図面屋
保有資格
・1級造園施工管理技士
・一般社団法人 日本エクステリア設計協会正会員
庭への想い
手描き一筋、暮らしと夢のAREAを描き続けます。
付加価値が感じられる住まいの提案を心がけ、
住み心地、デザインの満足度を高めていきたい。
~主な経歴~
ハウスメーカーエクステリア部門、外構設計施工会社 15年間勤務を経て独立
AREA外構&お庭の設計事務所立ち上げ12年目になります。
今回のコラムは『手描きパースのコツ実践編』にしてみました。
皆さんはプレゼンテーションをCADで作成されているのでしょうか?操作性、表現力、正確性の向上等、CADの進化は目覚ましく技術革新の勢いが止まりませんね。
今後も数年足らずで3Dプリンターでの模型、VR(仮想現実)ゴーグルを装着等のCADと連動したプレゼンテーションが当たり前になっていくのかもしれない、と感じています。今回のコラムは、そんな技術革新が続く世の中で、あえて皆さんに手描きの図面を始めませんか?という世間と逆行したスキルのお勧めをしてみようかと思います。
私は日頃、手描きの図面でプレゼンテーションをしています。
では、手描きの良さってなんだろう。。。
1・施主の方が絵としての評価、感動してくれます。
人は人の手作業したものに対しは琴線に触れるようで、施主の方が自分達の為に描いてくれたのだと特別感を抱いてくれているように思います。
CADの場合は、CADが凄いと思われて人への評価に繋がりづらい気がします。
2・一番最初のプレゼンテーションは自分の名刺だと思ってお渡しするのですが、その最初のプレぜが施主の方の意向に沿っていなかった場合でも、
プロっぽさ、キャリアの長さを感じてもらえたり、競合の際にも信頼感を得られてお任せして貰いやすいです。
では、手描きの悪さってなんだろう。。。
1・不正確。寸法を完璧に描くことができません。
2・パースのアングルは1アングルごとに描かないと表現できないので、手間です。
3・変更の際も描き直し、着色し直しが必要なことも多々あり、手間です。
4・PCやipadのイラストは別ですが、基本は鉛筆、シャープペン、消しゴムカスなどで汚れます。
5・CAD図面と並べると迫力負けします。(
プランによりますが)特にプレゼンテーションのコンペなどで、プロシェクターで映し出す時などは顕著にそれを感じます。
6・個人差が大きく出ます。
手描きの良いところだけを書こうと思いましたが、悪いところ有りますし、前述したようにCADの技術革新もし続けるでしょう。手描きをする意義を感じない人も多くいると思いますが、年々減少する手描き図面だからこそ、描けることで他のプランナーさんとの差別化ができるスキルだと思います。是非皆さんに習得してほしいなと思います。
『パースを描く時の重要ポイント』
1・見せ場のアングルを決める。
パースを描いたことがない人、慣れていない人は、ある程度おおまかにCADで作成したパースをもとに下書として使用する方法がいいかと思います。
2・植栽の表現方法
植栽を上手く描くことさえできれば、あなたも今日から手描きパース上級者!
3・素材、ディティールの表現方法
筆圧の調節で単調にならないよう、立体感の表現もします。
4・影の表現
影はとっても重要!影を入れることで平面が立体に見えます。影がうまく表現できれば、あなたも今日から手描き上級者!
5・着色
(今回は白黒で説明しますの。次回以降でデザインマーカーコピックを使用した着色のコツもお伝えしたいなと思っています。)
以上です。えっ!それだけ?と思うかもしれませんが、まずはこれが出来れば大体OKです。
もしそれ以外に何かあるかと聞かれたら…描くことを始めること、好きになって描き続けることでしょうか。そこが一番難しいかもしれませんね。
まずはやってみましょう!
手描きで使う道具が分からない人もいらっしゃるかもしれませんので、私が日常使用している道具達を紹介します。
▪︎製図板の平行定規
(CADパースや写真を下地利用して描くときは、
イラストレーターさんがよく利用している照明付きのトレース台も便利です)
▪︎トレーシングペーパーA3 75g/㎡
(トレペには様々な厚みがあります。薄すぎず厚すぎない75g/㎡くらいがお勧め)
▪︎シャープペン0.4mmタイプ
( ぺんてるグラフギア1000・重みがあって描きやすいので20年以上このタイプを愛用)
筆圧の調整で繊細な線や迫力のある線を調整しています。
0.1mmタイプ~0.5mmタイプのシャープペン数本を使い分けていた時期もありましたが、
面倒で今では0.4mmタイプ1本で筆圧の調整をしながら、様々な線を表現しています。
▪︎勾配定規(三角定規として使用。持ち手がついていて作業しやすいです)
▪︎ホルダー消しゴム
(ぺんてるアインクリック・硬さが適度、柔らかすぎると鉛筆汚れがトレペに残る)
▪︎三角スケール
▪︎着色道具のコピック、パステル
▪︎卓上掃除機
(無くても問題ないけれど。。。消しゴムのカスで汚れます。)
・袖口アームカバー、エプロン
(こちらも無くても問題ないけど。。。沢山の図面を描いていると、洋服が結構汚れます。
手も直ぐに汚れるので頻繁に手を洗います。ハンドクリームで手を保護したくなりますが
トレペがあぶらとり紙と質が近いようで図面が汚れてしますので図面を描く前は利用しない方が
良さそうです。)
それでは、手描きのポイントを下記で紹介しますので、参考にしてチャレンジしてみてはいかがでしょうか!
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