コラム

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SANKYO WOMANスペシャルコラム


富田 絵里香(Tomita Erika)

富田 絵里香(Tomita Erika)

  所属先

  AREA 外構&お庭の設計事務所・手描きの図面屋

  保有資格

 ・1級造園施工管理技士
 ・一般社団法人 日本エクステリア設計協会正会員

  庭への想い

  手描き一筋、暮らしと夢のAREAを描き続けます。
  付加価値が感じられる住まいの提案を心がけ、
  住み心地、デザインの満足度を高めていきたい。

  ~主な経歴~

  ハウスメーカーエクステリア部門、外構設計施工会社 15年間勤務を経て独立
  AREA外構&お庭の設計事務所立ち上げ12年目になります。

主な作品
主な作品

【 第7回 】 にわぬりえコンテスト応募作品講評と着彩のコツ

私が所属しております「にわとわに 」(庭にまつわる仕事に日々邁進する女性のプロフェッショナル集団)では、皆さんにおうち時間を有意義に過ごしていただきたいとの考えから、塗り絵プロジェクトチームを発足し、三協ウーマンとのコラボ企画として「にわぬりえコンテスト」を開催することが出来ました。
コンテスト応募総数が約180作品と予想以上に多く集まりまして、多種多様の力作揃いの中から入賞作品を選考することは非常に困難を要しました。入賞した作品の紹介と講評はコンテスト結果内でさせていただきましたが、入賞を逃した作品の中にも入賞に匹敵するような素晴らしい作品が沢山ありましたので、コラムの方で紹介と講評をさせてていただければと思います。

にわぬりえコンテストでは課題①(ナチュレ ・ラステラ・フィオーレ )と課題②(U.スタイルアゼスト)のどちらかを選んでいただきました。出来栄えとしては課題①の方は塗る要素が多く細かく下絵が描いてあり、カラーリーフの配色やファブリック色の組み合わせなど多用にできるので、華やかで魅力的な作品が多く出来上がったように感じます。課題②は①に比べ下絵に塗る要素が少ない為、植物の塗り分けや素材の表現はもちろんですが、空の表現や建物の影で立体感を表現することが重要なポイントでした。どちらの課題も着彩スキルの高さ、全体のバランス、色の組み合わせ、情景や背景に季節を感じられるような作品が好評価につながりました。


着彩のコツ

作品を紹介する前に、皆さんの作品の中にもドラマティックで印象的な空を表現できている作品がありましたが、私自身が日頃から着彩している空のテクニックと立体感表現を強調する影入れのコツを見ていただきたいと思います。
昼の青空を表現する時にはコピックと修正ペンを使用。
夕景、夜景の場合はグラデーションを強調しやすいパステル色鉛筆で重ね塗りをしています。

パースの着彩に影の表現をすることはとても重要で、立体感が強調されます。太陽の位置を意識して、影の向きを考える。建物の軒下、カーポートの屋根下、樹木の影が壁に映りこむさまを表現

青空・コピック(E40+E41)を使用し、修正ペンの白で雲を表現

夕景・パステル色鉛筆を使用。グラデーション表現。(イエロー・オレンジ・ピンク・青紫・藍色)
太陽が沈む場所をイメージし、明るい黄色から暗い色へとグラデーションを広げていく。

夜景・パステル色鉛筆と修正ペンを使用。住宅地や都心部は街明かりを考慮して、建物際などに少し明るさを残し、月明かりや雲の表現も入れるとリアルになります。


応募作品講評

ここから応募作品の紹介をさせていただきます。

『空の夕景・夜景が魅力的だった作品』

4点ともに夕暮れならではのグラデーションが美しく、魅力がアップしています。

夕焼けの柔らかで優しい日差しが全体を包み込むような情景。淡く優しい色使いがとても心地いい。

インパクトの強い空に負けない、全体の色使いが上手い。夕日が樹木の葉に映り込む様子もいいですね。

夕日が沈み最後に残る太陽の微かな名残りが表現され、銅葉、赤葉の配色バランスも上手いです。

特徴的な夕景ですね。石貼りの色選びも個性的。


『着彩の力強さに魅了された作品』

影の表現が上手く、立体感が強調され、みられの大谷石とシンボルツリーの紅葉がアクセントになり印象よく仕上がっています。

難しいインパクトの強い色合わせですが、全体をバランス良くまとめあげ、ビビットさが好印象。

みられの大谷石や、建築軒下の木目に数色混えつつ、あえてムラのある表現がリアルな質感を思い浮かべさせられます。

芸術的才能を感じます。色塗りだけでなく、どんなパースを描くのだろうかと興味をそそられました。


『色の特徴を活かした作品』

雲が浮かぶ青空のニュアンスと、壁泉の水面が相性良く、ファニチャーとファブリックのオレンジがアクセントとして効果的。

色鉛筆の特徴を活かして、ブラック系色でも強くなり過ぎず、優しい印象。影の表現を青紫色を使用することで暗くなり過ぎない工夫も良い。

全体的にホワイト系でまとめたことで、カラーリーフが際立って素敵です。ラグジュアリー なセンスの良さを感じます。

沢山のビビットな色を使用しても嫌味にならず、品よくまとめるテクニックが素晴らしい。


『ふんわりと優しい印象の作品』

全体のまとまりが良い素敵な作品だと思います。影の表現をもう少し強く入れ立体感が増すと、より一層魅力的になると思います。

植栽の影が壁面に映り込む表現がいいですね。空の表現をもう少し濃くニュアンスを入れると全体のバランスが良くなると思います。


『青空が印象的な作品』

絵具によって着彩され入道雲の迫力に圧倒され、夏の日差しに照らされた青々とした樹木の葉が、今年の暑かった夏を思い出しました。

印象的な青空と雲が窓に映り込む様も表現されていいですね。


『感動する独創性の作品』

雪降る月明かりの夜なのでしょうか幻想的ですね。キャンドルと照明のあかりが温かみを感じます。

個性的で大胆な色使い。現代アートのようです。

絵の具で着彩されたのでしょうか。ノルディックカラーがとても素敵です。お部屋に飾りたくなりました。



にわぬりえコンテストの結果発表は、こちらからご確認いただけます。≪にわぬりえコンテスト 結果発表≫


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